サラート(礼拝)

礼拝のしかた 

礼拝の意義

サラート(礼拝)は、イスラームの五つの行の中で最も重要なもので、み使いも「礼拝はイスラームの柱で、天国への鍵である」と言っています。毎日義務の礼拝として五回行いますが、それは常にアッラーの教えを守り、かれを讃美し、かれに服従を誓い、その導きと助けを求めて祈り、信心を深めるために行うものです。澄んだ心でアッラーと対話することです。怠惰な気持ちを退けて、厳粛で真剣に礼拝に立ち、定め られた文句を唱えるのです。そうすることによって誰でもアッラーの無限の恩恵にあづかれるのです。

多忙な現代生活の中では、定められた時間に礼拝を捧げるのが困難な場合もありますが、そんな時には、満員電車の中ででも、礼拝を捧げることはできるのです。むしろ、工場で働く人のような場合でも、昼休みに礼拝を行うことによって、午後の労働への新しい活力となり、心が落着き、事故などの防止にも役に立つでしょう。定められた形を守るというのは言うまでもないことですが、礼拝は各自とアッラーとの大事な 精神的交流の問題ですから、その時の状態に応じて、最も良い道を求めて善処すればいいのです。正しく真摯な礼拝にたいしてこそアッラーの大きな恩恵があるのです。

礼拝に際して注意すべき点

(イ)世界のどの地にいても、正しくキブラ(メッカのカアバ神殿の方角)に向うこと。

(ロ)身心を清浄にすること。

(ハ)定められた時間帯内で、定められた礼拝をすること。

(ニ)必ずニーヤ(意志表明)を行うこと。

(ホ)服装に関しては,男性は最低限へそからひざまでの部分は衣服を身につけるこ と。女性は、手と顔以外はすべて衣服で被うこと。以上5つの点が守られていないと、礼拝は無効になります。

アザーン

さて礼拝の時刻が訪れると、-人がムアッズィン(礼拝時間がきたことを告げる人) になって人々に礼拝への呼びかけをします。その朗々と響きわたる呼びかけをアザーンといいます。ただし女性はアザーンをしてはいけません。

1.アッラーフ アクバル   (4回唱える)

2.アシュハド アン ラー イラーハ イッラッ=ラー   (2回)

3.アシュハド アンナ ムハンマダン ラスールッ=ラー   (2回)

4.ハイヤー アラッ=サラー (2回)

5.ハイヤー アラ=ル=ファラー   (2回)

6.アッラーフ アクバル (2回)

7.ラー イラーハ イッラッ=ラー   (1回)

<意味>

1.アッラーは偉大である

2.アッラーの他に神はないことを証言する

3.ムハンマドはアッラーのみ使いであることを証言する

4.礼拝のために来たれ

5.成功のために来たれ

6.アッラーは偉大である

7.アッラーの他に神はない

なお早朝の礼拝(ファジュル)の時は5の次に以下の文句を2回加えます。

アッ=サラート ハイルン ミナン=ナウム

<意味>

礼拝は睡眠にまさる

なお、人々はアザーンを謹聴し、その場で各節ごとに、各自それを口中で復唱するこ とか望ましい。

また、4と5の際にはそのまま復唱しないで、ラー ハウラ ワ ラー クウワタ  イッラー ビッ=ラーヒル=アリーイル アジーム(アッラーの他に力はない)と、それぞれ唱えます。

タハーラ(洗浄)

礼拝の前に身心を清浄にするため、タハーラを行います。タハーラには次のようなも のがあります。

1. イスティンジャー

トイレで用を足した後、液体または固型物によって排泄器官を洗浄すること。通常 、左手を用いて水で洗い流すのが良いとされています。しかし水が無い場合には、清潔(ターヒル)な紙や石のような固型物を用いても良いことになっています。

イスティンジャーは、礼拝をするしないにかかわらず、ムスリムがトイレで用を足し た後に必ず実行しなければなりません。

2. ウドゥー

「清潔は信仰の半ばである」とみ使いも言っていますが、アッラーの前に立つにあた っては、心身ともに清浄にして、邪念を退けねばなりません。

そこで礼拝にさきだって水場へ行き、身体の特定の部分を定められた順序で浄めます 。用水は、洗面器を使わず、蛇口から流れ出る水を右手のひらに受けて用います(一度使用した水をもう一度使用してはいけません)。これをウドゥー(小浄)といいます。

<ウドゥーの方法>

1.ニーヤ(意志表明)として「不浄をきよめるためにウドゥーをします」と唱える。

2.バスマラを唱えます。バスマラとは「ビスミッ=ラーヒッ=ラフマーニッ=ラヒー ム」という文章のことで、その意味は「仁慈あまねく慈悲深き、アッラーのみ名によって」ということです。

3.両手を手首まで三度洗う。

4.右手に水を受け三度口をすすぐ。

5.右手に水を受け三度鼻孔に吸い込み、すすぐ。

6.顔を額の髪の生えぎわからあごまで、また両耳のところまで三度洗う。

7.右腕次い左腕を、肘のところまで三度洗う。

8.ぬれた両手のひらで頭を前から後になでおろす。

9.ぬれた指で両耳孔と外側をぬぐうのがよいとされている(随意)。

10.右足次いで左足をくるぶしまで水を注ぎながら三度、指の間までよく洗う。

以上でウドゥーは終りますが、各動作は連続して行います。

<ウドゥーの失効>

なおウドゥーを行った後で下記のような行為があった場合は、再びウドゥーをやり直 さなければ礼拝を捧げても無効です。

(イ)睡眠、(ロ)放庇、(ハ)尿便、(ニ)嘔吐、(ホ)流れる出血、(ヘ)失神、)ト)性交その他により精液をもらした時。

3. グスル

全身を洗い浄め、ることをグスル(大浄)といい、次の様な行為のあった時に行います。

(イ)異性と交わった時

(ロ)夢精のあった時

(ハ)月経やお産をしたあと等

<グスルの方法>

1.イスティンジャー、つまり排泄器官の浄めを行います。

2.ニーヤ(意志表明)として「不浄をきよめるためにグスルをします」と念じます。

3.バスマラを唱えます。

4.ウドゥーを行い、特に口は充分にすすぎ、鼻孔も指を入れてすすぎます。

5.体の汚れた部分をまず洗います。頭から水を三回かぶり、頭髪を含めて足の爪先ま で、あますところなく水でよく洗います。

 

4. タヤンムム

場所によって水が得られなかったり、病気のために水の使用が不可能なときグスルや ウドゥーの代りに行う浄めをタヤンムムといいます。

<タヤンムムの方法>

1.ニヤ(意志表明)として「不浄をきよめるためにウドゥーまたはグスルの代りにタヤンムムを行います」と念じます。

2.バスマラを唱えます。

3.両手で乾いた土や石、あるいはそれに準ずるもの(自然のもの)に触れます。

4.その両手のひらで顔全体を一回なでおろします。

5.手首のところまで手の内側と外側をなでます。

6.右腕それから左腕を手首から肘のところまでなでます。なお、水が手近にある場合 にはタヤンムムは行わないが、タヤンムムを行ったあとすでに礼拝に入っている時はそのまま続けても構いません。

イカーマ

イカーマは義務(ファルド)の礼拝を捧げる直前に唱えるもので、礼拝が今始まるぞ 、という呼びかけです。その内容はアザーンとほとんど同じですが、Dの後に次の文句を二回唱えます。

カド カーマティッ=サラート

<意味> 礼拝はまさに始まれり

礼拝の捧げ方

さて、ウドゥー等により清浄な状態となり、イカーマを唱えた信者は、いよいよ礼拝 に入ります。礼拝を捧げる際、唱える文句はすべてアラビア語を用います。しかし、当初からこれらすべての文句をおぼえてしまうことは無理なので、入信して日の浅い 人は,スブハーナッ=ラー、スブハーナッ=ラーと、繰り返し口の中で唱えればよいのです(同時にファーティハ章の意味を念じることが良い)。そして礼拝が終るまで は、アッラーとの対話に専念し、体を動かしたり雑念に惑わされないようにします(ただし、雑念が起きても,礼拝が無効になるわけではありません)。

礼拝の各動作と唱える文意に精神を集中することが大切です。礼拝は次の順序で捧げ ます。

@正しくキブラ(メッカの方角)に向って立ち、自然の姿勢で手は体の両側にたれ、 両足には適当な間隔をおきます。その際,眼は座礼の時に額のつく地点を注視します。なお、キブラの方角がわからないような場合は、自分の想像するキブラに向って礼 拝すればいいのです。

A ニーヤ(意志表明)として「アッラーを称えて、何の礼拝を何ラカート(礼拝単位) します」と唱えます。

B それからタクビール、すなわちアッラーフ アクバル

<意味>

アッラーは偉大である。を唱えながら、両手を耳のところまで上げて、へその高さま で降ろし左手を下にして、右手の拇指と小指で左手首を握る形で両手を重ねます。婦人の場合は、手を肩まで上げてから胸の前に同様に右腕を上にして重ねます。この直 立の姿勢をキヤームといいます。なお、両手を耳のところまで上げる動作はアッラーに完全な服従を表明することを意味しています。

C キヤームの姿勢になったらすぐ、次のように口の中で唱えます。

(イ)スブハーナカッ=ラーフンマ ワビ・ハムディカ

(ロ)ワタバーラカ=スムカ ワタアーラー ジャッドゥカ

(ハ)ワ ラー イラーハ ガイルカ

<意味>

(イ)おおアッラー、あなたを讃美し敬いたてまつる。

(ロ)祝福はあなたのみ名であり、あなたは高貴のきわみであられます。

(ハ)あなたの他に礼拝に価いするものはありません。

続いて次の文句を口の中で唱えます。

アウーズ ビッ=ラーヒ ミナッ=シャイターニル=ラジーム

<意味>

呪うべき悪魔にたいし、アッラーのお守りを祈りたてまつる。

ビスミッ=ラーヒッ=ラフマーニッ=ラヒーム

<意味>

仁慈あまねく慈悲深き、アッラーのみ名によって。

D それから、開端章(スーラト=ル=ファーティハ)を唱えます。

E 引き続いてクルアーンの中の三節以上よりなる旬を唱えます。ただし、長い節の場 合は一節だけでも構いません。たとえば第112章(純正章)を唱えるのがいいでしょう。

F 続いてタクビール(アッラーフ アクバル)を唱えながら立礼(ルクーウ)を一回 します。その時、ひざ頭をつかむ形で腕や足を伸ばし、頭から首、背筋をまっすぐにして眼は足もとを注視し、次のように口の中で三回唱えます。

スブハーナ ラッビヤ=ル=アジーム

<意味>

偉大なるわが主の栄光をたたえ奉る。

G それからサミアッ=ラーフ リ・マン ハミダ

<意味>

アッラーは、たたえる者に、よろこび応えたもう。と唱えながら直立の姿勢に戻り、 ただちに次の句を唱えます。

ラッバナ ラカ=ル=ハムド

<意味>

私たちの主、あなたをたたえ奉る。

H 続いてタクビール(アッラーフ アクバル)を唱えながら平伏叩頭(サジダ)の姿 勢に入り、次の文句を口の中で三回唱えます。

スブハーナ ラッビヤ=ル=アアラー

<意味>

荘厳崇高なわが主の栄光をたたえ奉る。

アッラーに対する人間の敬意を表わす最良の姿勢であるサジダに際しては。まずひざ 頭を床につけ、次いで五指を揃えてキブラに向けて両手をつき、それから鼻、額の順に床につけます。また、足の指も床についていなけれぱなりません。

I それからタクビール(アッラーフ アクバル)を唱えながらサジダの際と反対の順序で上体を起こし、座位になります。この姿勢をカアダといいます。そしてすぐに再びタクビールを唱えながら、二回目のサジダをHと同じ様に行い、Hの文句を三回唱 えます。

J そしてタクビール(アッラーフ アクバル)を唱えながら再び身体を起こし、座位 に戻ります。

以上の@~Jまでが礼拝の一単位で、最初の直立の姿勢から一回の立礼と二回の座礼 で構成されています。これをラカートといいます。すなわちここまでで1ラカート終ったことになります。

K 以上、第1ラカートを終えたなら、すぐタクビール(アッラーフ アクバル)とと もに立ち上って第2ラカートに移ります。同じように開端章を唱え、そのあと、第1ラカートで純正章を唱えましたから、今度は第113章(黎明章)を唱えます。第1ラカー トの時唱えたものよりもあとの章から選び、前の章に遡らないのが慣わしです。

L そして第1ラカートと同じ様に一立礼と二座礼を捧げたならば、座位の姿勢のまま で、次の誓いを口の中で唱えます。これをタシャッフドといいます。

(イ)アッ=タヒーヤートリッ=ラーヒ ワッ=サラワート ワッ=タイイバード

(ロ)アッ=サラーム アライカ アイユハン=ナビーユ ワラフマトッ=ラーヒ  ワバラカートフ

(ハ)アッ=サラーム アライナー ワアラー イバーディッ=ラーヒッ=サーリヒ ーン

(ニ)アジュハド アッ ラー イラーハ イッラッ=ラーフ

(ホ)ワアシュハド アンナ ムハンマダン アブドゥフ ワラスールフ

<意味>

(イ)尊崇、礼讃、神聖のきわみのアッラーをたたえ奉る。

(ロ)おおみ使いよ、なんじに平安あれ、アッラーの恩恵と祝福あれ、

(ハ)私たちすべてのもの、アッラーの忠誠なしもべの上に平安あれ、

(ニ)私はアッラーのほかに仕えるに価いするもののないことを誓う。

(ホ)また私はムハンマドがアッラーのしもべであり、み使いであることを誓う。なお(ニ)の項で「イッラッ=ラーフ」を唱える時、右手の人指しゆびを前方に突き出し、神が唯一であることを証明します。

M 義務の礼拝が2ラカートで終る時は、続いてPへ移りますが、3ラカート以上の時は 最初に戻ってタクビール(アッラーフ アクバル)を唱えて直立の姿勢に戻り、開端章を各自口の中で唱えます。第3ラカートからは他の章節は唱えません。そして前と同様に一立礼、二座礼を棒げて礼拝終了段階に移ります。

N こうして定められたラカートを終えて、Lのタシャッフドを唱え終えたなら、次の句を続いて唱えます。

(イ)アッラーフンマ サッリ アラー ムハンマデイン ワアラー アーリ ムハ ンマディン

(ロ)カマー サッライタ アラー イブラーヒーマ ワアラー アーリ イブラー ヒーム

(ハ)インナカ ハミードゥン マジード

(ニ)アッラーフンマ バーリク アラー ムハンマディン ワアラー アーリ ム ハンマディン

(ホ)カマー バーラクタ アラー イブラーヒーマ ワアラー アーリ イブラー ヒーム

(ヘ)インナカ ハミードゥン マジード

<意味>

(イ)おおアッラーよ、ムハンマドとその後継者にあなたの恵みをたれたまえ。

(ロ)あなたがイブラーヒーム(アブラハム)とその後継者に恵みを賜うたように。

(ハ)げにあなたは讃美すべきこうごうしい方であられます。

(ニ)おおアッラー、ムハンマドとその後継者を加護したまえ。

(ホ)あなたがイブラーヒームとその後継者を加護したように。

(ヘ)げにあなたは讃美すべきこうごうしい方であられます。

O 最後に、同胞のためにも平安と幸福がくるように祈ります。まず顔を右へ向けて、 アッサラーム・アライクム・ワラフマトッ=ラー

<意味>

あなた方に、平安とアッラーのお恵みあれ。と唱え、それから左の方に向いて同じ文 句を唱えて、礼拝を終ります。

P 礼拝後、その場でアッラーを称えて唱念(ズィクル)し、それから祈願(ドゥアー )を捧げます。ドゥアーは両手のひらを上向きにして胸の前にあげます。ただしこのズィクル、ドゥアーは義務ではありません。

一目五回の礼拝とその時刻

毎日の礼拝は、早朝の礼拝(ファジュル)、正午過ぎの礼拝(ズフル)、遅い午後の 礼拝(アスル)、日没後の礼拝(マグリブ)、そして夜の就寝前の礼拝(イシャーウ)の五つです。

● ファルドの礼拝

この礼拝は教徒が絶対的義務として捧げなければならない礼拝です。

●スンナの礼拝

これはみ使いムハンマドがファルドの礼拝の前または後に捧げていた礼拝で、一般に 厳修するのが慣わしです。

●ウィトルの礼拝

この礼拝はファルドの礼拝に次ぐ重要なもので、イシャーウのスンナの礼拝の後に3 ラカート棒げます。ウィトルの礼拝では、第三番目のラカートが他の礼拝と異なります。すなわち、開端章を唱えた後、クルアーンの短い章節を唱え、直ちにアッラーフ・ア クバルを唱えながら手を耳のところまで上げて降ろし、キヤームの姿勢のまま次のドゥアーウ=ル=クヌートという祈りを口の中で唱えます。

(イ)アッラーフンマ インナー ナスタイーヌカ

(ロ)ワナスタグフィルカ

(ハ)ワヌウミヌ ビカ

(ニ)ワナタワッカル アライカ ワヌスニー アライカ=ル=ハイラ クッラフ

(ホ)ワナシュクルカ ワラー ナクフルカ

(ヘ)ワナフラウ ワナトルク マン ヤフジュルカ

(ト)アッラーフンマ イーヤーカ ナアブド ワラカ ヌサッリー ワナスジュド

(チ)ワイライカ ナスアー ワナフフィド

(リ)ワナルジュー ラフマタカ

(ヌ)ワナフシャー アザーバカ

(ル)インナ アザーバカ ビ=ル=クッファ一リ ムルヒク

<意味>

(イ)おおアッラーよ、私達はあなたのご加護を講い、

(ロ)あなたのお許しを願います。

(ハ)また、あなたを信じ、

(ニ)あなたに帰依します。私達は最上の儀式であなたを讃え、

(ホ)あなたに感謝し、あなたのご恩は忘れません。

(ヘ)またあなたに従わぬものと絶交して見捨てます。

(ト)おおアッラーよ。あなたにのみ私達は仕え、あなたに祈りまた服従します。

(チ)私たちは急いであなたのもとに参じ精進します。

(リ)私たちは、あなたのお恵みを歎願し、

(ヌ)あなたの懲罰を恐れます。

(ル)まことにあなたの懲罰は不信者に対して下ります。

その後は、他のサラートと同様、ルクーウ、サジダをしてウィトルの礼拝を終ります。

● ナフルの礼拝

この礼拝は捧げることが望ましい、自由な随意の礼拝です。

● カダーの礼拝

理由なく義務の礼拝を怠ることは大きな罪になります。しかし、定められた時間内に 礼拝することができなかった場合は、次の礼拝の前になるべく早く、怠った義務の礼拝を捧げなければなりません。

「何の礼拝のカダーの礼拝をします」とニヤ(意志表明)を行い、あとはいつもと同 じ方法で定められたラカートを終了します。

金曜日(ジュムア)の礼拝

毎週金曜日には、ムスリムはマスジド(礼拝堂)に集まり、イマームの指導のもとに 昼の礼拝を捧げます(これはズフルの礼拝の代りになります)。

アザーンが唱えられ、各自がスンナの礼拝を終ると、イマームはミンバル(説教壇) にのぼりフトバ(説教)をします。フトバは二つの部分に別れ、前段ではアッラーを讃美し、イスラームの教えについて述べます。後段ではみ使いムハンマド(かれに平 安あれ)と、その教友及び殉教者達のために祈ります。フトバの一部はアラビア語でなければなりませんが、その他の部分は礼拝者に分かり易い言語でなされることが望 ましいのです。

それからファルド(義務)の礼拝2ラカートを捧げます。金曜日の礼拝は、近隣に住 むムスリムたちが一同に集まって厳修するものですが、互いに健康を祝い合い、信心をねり、親交をあたため合う時でもあるのです。

特に男性はこの礼拝に参加しなければなりませんが、女性の場合は必ずしも参加しな くてもよいのです。